Aoi

記憶の花ことば 2

 

【前のブログの続き】

 

 

今回、美術作家の福永恵美さんが主催された

「大地に溶け込む”記憶の花ことば”」に、

新しく書き下ろした曲を

楽曲提供させていただきました。

 

【とよたデカスプロジェクト2020「記憶の花ことば」】は、

募集した花にまつわる自分の記憶の言葉と、

その思い出の花をオブラートでつくった作品を、豊田市内にある「昭和の森」に展示・撮影した

映像作品です。

 

たくさんの方が寄稿された「記憶の花ことば」を拝読させていただき、

その言葉と、福永恵美さんの作品からイメージをもらって

自分の歌声の多重録音という形で

今回の楽曲をつくらせていただきました。

 

また、拙い文章ではありますが、

自分も「記憶の花ことば」を寄せさせていただきましたので、

ぜひご視聴いただければ嬉しいです。

 

 

【動画】

○記憶の花ことば「昭和の森

https://youtu.be/mqoZbhdB9Fg

 

○記憶の花ことば「ひだまり」

https://youtu.be/sgl7EOLfbzk

 

○記憶の花ことば「波紋」

https://youtu.be/MEeO1B1c3UI

 

○記憶の花ことば「水面と花影」

https://youtu.be/f4s-PAJo7D8

 

 

 

【サイト】

●記憶の花ことばFacebook

https://www.facebook.com/kiokuhana

 

●福永恵美さんオフィシャルサイト

https://megumi-fukunaga.com

 

●とよたデカスプロジェクト

https://decasu.jp

 

 

 

人の記憶というものは曖昧で、時と共にどんどん薄れて、

ベールの向こう側や水底へ沈んでゆきます。

今回の”記憶の花ことば”は、そうやってゆらゆらと遠ざかっていく記憶を

自分の中からそっと掬って、オブラートの花と言葉でもう一度目に見える形にする…

「記憶の具現化」のようだと思いました。

そしてそのオブラートも、森の中でいつしか溶けて土に還っていく。

そんな大きな循環の中に、私たちはいるのだなあと、動画を拝見して思いました。

 

たくさんの方の記憶が、森の中で静かに咲いて、溶けていく。

 

本当に素敵なプロジェクトだと思います。

 

 

 

福永恵美さんとは、

実は、今年、

福永さんの作品と自分の歌のコラボ、

という形でご一緒させていただく予定でしたが、

新型コロナの影響でちょっと見送ろう、ということになりました。

 

福永さんの作品にはすごく惹かれるものがあり、

ご縁をくださった方が、

「なんだか二人からは似た匂いがするんだよね、うふふ」と言ってひき会わせてくださったこともあり

また何かしらの形でご一緒したい、と思っていたので、

こういった形で「記憶の花ことば」に参加させていただけて

本当に嬉しかったです。

 

このコロナ禍の中で、

福永さんからは本当にたくさんのエネルギーと刺激をもらいました。

俯くことしかできなかった時、

例え電話口だったとしてもお話しするたびに

「私も頑張らないと、生きねば、つくらねば」という気持ちになれました。

 

 

 

 

今回、楽曲提供した音源についてですが、

「ひだまり」「波紋」「水面と花影」の「記憶の花」シリーズと、

それからもう1曲、

以前、東京の四谷天窓さんの企画でつくった「鍵」を

アレンジして多重録音したものです。

天窓さんがなければ生まれなかった曲が、

こういった形でまたお届けできたことが、とても嬉しいです。

 

抽象的になってしまいますが「記憶の花」シリーズの曲の説明を…

「ひだまり」は、できあがった曲が太陽の匂いがしそうな感じだったので

このタイトルになりました。葉脈とか陽の光に透けているようなポカポカしたイメージです。

「波紋」は、地下茎で繋がった植物のその根や茎に同じ水が流れていて、そこに波紋が広がっていくイメージ。

「水面と花影」は、水面に写った花が波打つたびにゆらゆら揺れている…ような感じです。

どれも、言葉ではないもので繋がってしゃべりあっている植物の声…みたいな歌声が入っています。

…多分全然うまく説明できてないですね(笑)なのでぜひお聞きいただければと思います。

 

 

 

 

 

音源制作についてですが…

 

 

もともと機械に対して苦手意識がありましたが、

コロナ禍でなかなか遠出が難しく、人にも会いにくい状態なので、

なんとか自分1人でできるものはないだろうか…と思い、

この機に頑張って触ってみようと、

ガレージバンドというアプリで

多重録音をはじめました。

 

ギターやピアノなどを弾きつつ、

歌声を重ねて録音しています。

 

頭の中で鳴っている音を全部形にできる

こんな便利なツールがあったとは…

やりはじめたらものすごく奥が深く、

正直とてもびっくりしています。

こんなすごいアプリが最初から無料で入っているMacってすごいですね…

 

ただ、なにぶん初めてのことばかりで、

オーディオインターフェイスやら何やら、

知らないことばかりで、

生活の合間にいろいろ調べながら手探りでやっていたのと、

 

機材なども一気に買うことができなくて、

今は必要最低限の機材でつくっているので

今後もがんばってちょこっとずつ機材など集めつつ、

パワーアップしていきたいと思っています。

 

 

それから、

自分が今回アップした2つの動画についてですが、

新しくでてきた「醒めない夢」と「舟出」という曲をYouTubeに載せました。

 

◯醒めない夢

https://youtu.be/fF4mIKQUOcM

 

◯舟出

https://youtu.be/KQyNmEb0DAo

 

動画は、スマートフォンの奥に眠っていた写真・映像を

自分なりに編集してつくってみました。夜眠れない時とかに、

フワフワした気持ちになって肩の荷が少しでもおろせるような曲を…と思ってつくりました。

 

パラパラ漫画のような感じで写真や映像がちょっとずつ変化しますので、

ゆらゆらとした気持ちで見ていただけたら嬉しいです。

 

 

 

今後も

今までつくって歌ってきた曲をアレンジしたものや、

今回のような歌詞のない曲なども

少しずつアップしていけたら、と思っています。

 

 

 

近況など 1

 

ここ約1年ほどライブができず、

今まで通りに皆さんと直接会っていろいろおしゃべりすることすること自体が難しいので、

ブログを書きました。

 

自分の気持ちとか思いとかをネット上にあまり書いたことがないので

かなり読みにくい冗長な文章になっているかと思います。

お時間ある時で大丈夫ですので

読んでいただけたら嬉しいです。

 

 

 

今年は、今まであまり挑戦してこなかった自主企画ライブや合同企画が

いくつか決まっていました。

秋には、美術作家さんとのコラボステージに出演させていただく予定もあり、

それぞれ去年から、いろいろな方たちと計画を練って温めていました。

 

今までにやったことのない初挑戦のステージも、

いつも、「おかえり」とまた温かく迎え入れてくださるステージも、

本当に楽しみで、

そのひとつひとつを皆さんにお伝えできる日をずっと楽しみにしていました。

 

でも、そういったステージがコロナでなくなっていき、

今までなんの疑問も無く行っていたお店に行けなくなり、

毎年開催されるいくつもの音楽イベントが中止され、

そして、

当たり前のように会えていた人たちと会えなくなって、

 

ぷつん、と糸が切れたようになってしまった時期がありました。

 

コロナ禍の影響だけではなく、

治ったと思っていた喘息などが久々に復活してしまったことも重なって、

人前で歌を歌うこと自体がちょっと難しくなりました。

 

音楽に携わっている様々な人たちが

本当にいろいろなアプローチで音楽を守ろうとしたり

表現することをやめずに発信し続けている中で、

自分だけが動き出せずに何もできず、何の力にもなれないことが情けなくて、

しばらく、ドロドロのタールのような黒い感情に飲みこまれて

「誰にも何も言わずこのままこの黒の中に…」

と思えてしまった時期もありました。

 

 

その状態で何かを発信したら、

誰かを無意味に不安にさせてしまうんじゃないか、ということがこわくて、

ネガティブなことは発信しないでおこう、としばらくSNSなどから距離をおいていました。

 

ライブで歌えなくなってからは

感情が暴発しそうで、思ったままに感情のままに

よくないことを書きこんでしまいそうで、こわかったです。

メモに何度も何度も言葉を書いては消して、書いては消して……を繰り返していました。

 

でも今はだいぶ冷静になれたので、一度ちゃんと状況をお伝えしておこう、とブログを書きました。

 

 

 

ちょっと前が向けるようになってからは、

自分に今できることがあるならとにかく頑張ろう…と思い

多重録音や映像作成などを始めました。

 

機械は得意ではないですが、自分ひとりで1から手探りで…というのは

自分の性格に合っているみたいで、

今は生活の隙間の時間にいろいろ調べながらコツコツとやっています。

 

 

0.1ミリでも前進できるなら、それをやっていくしかないし

とにかく自分なりにやってみようと思っていろいろ挑戦しています。

 

昔から何かをつくっている時が一番楽しくて自由で幸せを感じられる性分だったので

今回も何かをつくり続けることはやめたくないし

こんな状況下でも結局やめられなかった、ということがわかりました。

 

同時に、自分もずっと誰かがつくったものに救われてきたので、

もらったものを返していきたいという気持ちもあります。

 

 

今回、新しくつくった音源「醒めない夢」や「舟出」は、

自分が夜眠れない時とか、何かに集中したい時とか、

癒されたい時やしんどい時に、

こういう曲があったらいいなと思ってつくりました。

 

 

 

今回楽曲提供させていただいた「記憶の花ことば」についてや音源制作については、

次のブログに書こうと思います。

 

 

ライブに関しては、体調の面や職場環境のことなどがあるので

まだ具体的に「この日から再開しようと思います」ということが言えない状態です。

待っていてくださっている皆様、本当に申し訳ありません。

 

以前のように、

近くで、大きい声で、目を見て、何にも気兼ねせず

いっぱい喋りたいし歌いたいです。

 

こんな当たり前のことすら今は叶わないのか、と思うと

また、深い穴にひとりで落ちてゆくような感覚になることもありますが

今はとにかく、自分にできる範囲のことを精一杯やろうと思います。

 

 

 

紫と黄色のかおり

 


以前、知人宅で収穫させてもらったラベンダーが、随分いい塩梅になってきました。

 

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洗って、干乾しして、乾燥させたものを指でほぐして、花の部分をとっていきます。

自生していた時と比べると色は随分褪せるけど、
茎からほろほろ、とれる花は
目が痛いほどの香りがします。


真夜中、なかなか寝つけないときに
ほろほろ、ほぐします。


そうやっていると
不思議なくらいに心が落ち着く。
どんなに心がザラザラしていても、緩やかに穏やかになっていく。

 

部屋いっぱいのラベンダーの香り。


ほぐしたラベンダーは、
小瓶に入れるもよし。
飲むもよし。
サシェも、またいくつか作ろうか。

 

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向き合うこと

 

 

 

久々の病院。
細胞が、冬に向かうのを全力で嫌がっているのかな。毎年この時期はいつも、なにかしらの体と心の不一致がおきて、体がブレーキをかけたがる気がする。
小さい子供が床に転がって、思うままに手足を突っ張ってジタバタさせて、ヤダヤダヤダ!と駄々をこねているような。

呼吸すらままならないと、慣れているとはいえこのまま息ができなくなるのではと、体の全てで身構えてしまう。

 

 

点滴が落ちるのを待つ時間、あれやこれやと思いをめぐらす。自分への失望と、ここにいれば大丈夫、という安心とが綯い交ぜになる。


時折ゆれる白いカーテンの向こう側で、顔のみえない誰かの足音、声、息遣いを感じて、少しホッとする。
紗幕の向こう側で、影絵の生き物がゆらゆら揺れている。良かった。夜は特に心もとなくなるから。あまり孤独を持て余すと、余計なことまでグルグル考えてしまう。


こういうとき、つめたくて悲しい気持ちが、ひたひたと、胸の内に押しよせてくる。
そのつめたさで押し潰されそうになるときは、村岡花子さんの歌を何度も心の中で繰り返します。


「まだまだと おもいてすごしおるうちに
はや死のみちへ むかうものなり」


死を覚悟した彼女が、7歳の時に病の床で詠んだ歌。
梨木香歩さんの『不思議な羅針盤』を読んで知って以来、気持ちがふらふらと不安な方へ転げ落ちていきそうになるたび、落ちきってしまう寸前のところで、この歌が、袖をつまんでひっぱるようにして私を引きとめてくれる。

彼女が病気を治したあとに詠んだ歌より、何故だか、この歌の方が胸にしんと染みるのです。


自分ではどうすることもできない悲しいことや辛いことを目の前にすると、「大丈夫」って強がるよりも、そのつめたくて圧倒的な真っ黒い感情にいっそ身を任せてしまった方が楽なのでは、と思えるときがある。

けれどこの歌は、その渦中にいながら、強がるのでなく、悲嘆に暮れるのでなく、ただ淡々とそのことと向き合っているような、ある種の清々しさのようなものを感じるのです。

 


その清々しさが、私はうらやましいのかもしれない。

 

そんなふうに、向き合えたら。

向き合えるようになりたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静かなところ

 

 

 

 

 

新宿御苑の水辺の写真、
水面が鏡みたいだったので

上下をひっくり返してみました。

 

 

 

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その場にいた時はあまりわからなかった。
こんなに凪いでたんだ。

 

 

 

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水面の世界に、爪先から入っていけそう。
きっと、静かなところなんだろうな

 

 

 

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凪ぐ

 

 

 

霧雨降る中の新宿御苑

東京で空いた時間は、
いつもここにいる気がする。

 

 

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雨が途中で霧になって、
遠くが白く霞んで幻想的でした。

じっと立っていると頭の中がシンとなります。

 

 

 

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ここの温室には、はじめて入りました。


凪いだ水面は鏡みたいで、
花が空中に浮いているみたいでした。

 

 

 

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ふりかえる

 

 

 

 

 

 

とてもたくさんのことがありました。

少し落ち着いたので、時系列で振り返ってゆきます。

 

 

 

 

8月1日 2日

「黒猫の詩」のレコーディング以来の東京。

 

 

 

吉祥寺 曼荼羅さんへ。

 

何度おじゃましても、

あの洞窟のような空間へおりていく瞬間はいつもドキドキします。

街の喧騒から扉一枚隔てただけなのに、別世界のようなのです。

 

普段、話すことがあまり得意ではない私ですが、

あの空間にいると何故だか胸のつっかえなしで、話せてしまう。

不思議であったかい異空間です。

 

 

 

 

 

翌日は、お久しぶりに鈴ん小屋さんへ。

 

この日は、

はじめましての方との出会いがたくさんありました。

とても楽しかったです。

 

フランスからの中継(?)ライブもあり、晴れ渡った異国の青空の下、

歌って踊っている人たちのしあわせそうな笑顔を見ていて

なんだか、その場所で自分も歌っているような気持ちになりました。

「I wanna」や「黒猫の詩」を歌いました。

 

 

 

 

 

 

 

8月6日

りんご音楽祭「RINGOOO A GO-GO」の最終ライブで、

KDハポンさんへ。

 

びっくりするくらいたくさんの人が集結した、熱のこもった熱い夜でした。

しあわせ、とか、かなしい、とかの想いって普通は目には見えないものだけど、

音楽って容易にそれを伝達させていく。

 

薄ピンクやクリーム色、パステル色の感情を、歌いました。

帰り道、薄雲の向こう側の月に、光りの輪っかが。

月暈だったのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

8月10日

吹上の鑪ら場さんへ。

 

いつも素敵な演者さんが集まる鑪ら場さん。

 

この日は、「黒猫の詩」に収録されている歌を…と思っていましたが、

他の演者さんの柔らかくてあったかい演奏を聴いているうちに

心がそわそわとしてきて青い歌が歌いたくなり、

 

ここしばらく歌っていなかった「About Love」などを中心に歌いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お越しくださったみなさま、

聴いてくださったみなさま、

ありがとうございました!

 

 

 

熱した鉄球を投げ続けるのではなく

音と人の中を、すいすいと泳いでいたいと思いました。

 

 

人とのご縁の中でしか気付けないこと、

見つけられないもの、に出会えた日々でした。

ひとりで突っ張っていても

いつかポキッと折れてしまいます。

目から鱗で、今、若干世界が眩しいです。

 

 

 

 

そして、

 

9月23日 24日に長野県松本で開催される

「りんご音楽祭」への出演が決まりました!

 

この瞬間、この季節、この時間は一度きり。

とり零してしまわないよう

ひとつひとつ大切にしてゆきたいです。

 

 

みなさま、ぜひ遊びにきてください。

 

 

 

 

 

碧みき